迷惑メールの除去に有効だというフィルタリングですが、どのような仕組みで動いているのでしょうか?
【回答】
「フィルタリング」の語源は“filter”です。フィルターと言えば「濾過器(ろかき)」。水溶液から混じり物を取り除く装置ですね。小学校時代に、濾紙とロートを使って水をこした記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
私たちの身近にあるフィルターは、たとえばコーヒーフィルターや茶こしのように、フィルターとなる材料が持つ小さな穴や隙間を利用するのが基本です。その穴や隙間より大きいものは通過しない。非常に分かりやすい仕組みですよね。それに対してコンピュータにおけるフィルターは、条件を与えられ、それにひっかかるか否かで役割を実現します。図1をご覧ください。
図1 コンピュータにおけるフィルターの仕組み
コンピュータが提供するフィルター機能は、それだけでは何の役目も果たしません。なぜなら、何を取り除けばいいのか、指示されていないからです。コンピュータは自分自身で考えて何かをするということができませんので、何かをさせるためには人間がこと細かに指示しなければいけません。
そこで、たとえば図のように、フィルターに「クスリとか自殺といった言葉がメールに含まれていたら、そのメールを除外しろ」という命令を与えてみます。するとフィルターは、メールの内容を読みながら「クスリ」とか「自殺」といった言葉が含まれていないかを検査し、一致する部分があればそのメールを指示通り“除外”するようになります。
つまり、フィルターとは、「何かの条件を与えて、その条件に従った判定をすることで選別を行うための仕組みのこと」なんですね。そして、フィルタリングとは、そのフィルターの機能を使って「実際の選別を行うこと」を指します。
わかりにくければ、「誰々さんからのメールは受け取りたいけど、○×から来たメールは受け取りたくない」とか「××という言葉が入ったメールは受け取りたくない」といったときに使う機能だと覚えてください。