メールは、インターネットにおける重要なサービスのひとつです。しかし、ご存知の通り、スパム(迷惑メール)の蔓延によりメールというサービスそのものが危機にさらされています。
迷惑メールは、それを受け取った人が不快になるだけでなく、コンピュータウィルスやボットによる汚染、フィッシングや架空請求といった詐欺の入り口となる危険をはらんでいます。また、管理者側から見れば、対策コストやユーザーサポートコストの増大といった不利益を被っている現状があるでしょう。利用者の安全を守り、無駄なコストの発生を抑えるためにも、いま、メール管理者には、迷惑メールをいかに削減し、撲滅するかという課題が与えられているのです。
では、迷惑メールを減らすにはどうしたらよいのでしょうか。その一番の回答は、関係する組織や人々が協力しあって迷惑メールを出せないような環境を作り出すというものです。
これから実施されていくであろう迷惑メール対策は、単独では意味をなしません。受信側で何とかするのではなく、どこからも送信できなくすることが一番の目的だからです。
繰り返しになりますが、そのためには、メールを扱う組織や人々が一致団結して協力する必要があります。逆説的ですが、そう遠くない将来、迷惑メール対策がきちんと行われていないドメインから出されたメールにはグレーである旨のフラグが付けられてしまう可能性があります。そう考えると、できるだけ早い段階から対策について検討を始め、その対策を実施していくべきでしょう。そうしなければ、メールを確実なサービスとして自身の利用者に提供できなくなります。
本サイトは、迷惑メール対策を行う皆様の一助となれるよう、技術情報を中心に、迷惑メール対策に関する知識を皆様にご提供していきます。迷惑メール対策についての知識が浅い方は、まず「運用情報」の「経験談」からお読みいただき、「技術情報」の「迷惑メール対策の基礎知識」に移られることをお薦めします。
迷惑メールを撲滅できれば、利用者が安心してメールを使うことができるだけでなく、スパムで消費されている無駄なトラフィック(世界で送受信されるメールの約7割がスパムであると言われています)を減らし、健全なネットワーク環境を取り戻す有効な契機となるはずです。そのためにも、メール管理者の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。