知人からメールが届いたのですが、内容から本人のものとは思えませんでした。そこで、本当の差出人を知りたいのですが、どのようにすればよいのでしょうか?
【回答】
メールは、「メールヘッダ」と呼ばれるメール送信に関するさまざまな情報を持っている部分と、相手に伝えたい本文そのものを持つ「メール本文」の二つから構成されています。私たちが普段見ているメールは、そのメールヘッダ情報の一部とメール本文です。試しに、お手元のメールソフトで「メールヘッダの詳細を表示する」という意味のメニューを選択してみてください。おそらく、非常に数多くの情報が表示されるのでないでしょうか。
図1 メールヘッダの詳細を表示させる(Thunderbird の場合)
しかし、全体が表示されたメールヘッダの意味をひとつひとつ理解するのは大変ですよね。そこで、ポイントとなる部分をいくつかご説明します。図2を見てください。
図2 メールヘッダの例
私たちが普段から見ている差出人は、メールヘッダの中にある“From:”で始まる行に書かれている内容をメールソフトが表示したものです(この例では、“taro@example1.co.jp”が表示されます)。しかし、そのメールアドレスがおかしいと感じたときには、同じくメールヘッダの中にある“Return-Path:”で始まる行を探します。この例では先頭にありますが、場所は必ずしも先頭ではありませんので注意してください。
“Return-Path:”で始まる行で書かれているメールアドレスは、多くの場合で実際の配送時に使用された送信者アドレスが書き込まれています。図の例では“From:”で始まる行に書かれているメールアドレスと“Return-Path:”で始まる行に書かれているメールアドレスが一致していますが、メールマガジンのようなものでは異なる場合が多いため、そちらで確認してみるのもいいでしょう。
繰り返しになりますが、そのメールを送ってきた本当の送信者を知りたければ、メールヘッダ中の“Return-Path:”で始まる行に書かれているメールアドレスを調べるのが一番です。
余談になりますが、図中に青で示した“Received:”で始まる行は、そのメールを扱ったメールサーバが独自に書き込む情報です。基本は、上側にある情報のほうが受け取り側に近く、メールがどのような経路を通って届いたかを知る手がかりになります。